皆さま こんにちは。
東南アジアコンサルタントの塩見有輝です。
シンガポールで10時間の行列が
昨日2015/3/26にできました。
iphoneを買うためでも、
ドーナッツを買うためでも、
ポップコーンを買うためでも、
ジェットコースターに乗る為でもありません。
先日2015/3/23に91歳で亡くなった、
リー・クアンユー元首相の、
ご遺体を拝みに国民が並んでいるのです。
この行列は、
ご遺体の安置された国会議事堂まで
ずっと続いています。
現在24時間、国会議事堂が
解放されています。
そして、昨日は、
10時間の行列の末に
国会議事堂にたどり着くことが
できたそうです。
本日は、待ち時間が
4時間~8時間の予測。
ご覧のとおり、
椅子があるわけでもなく、
ずっと立ちっぱなしです。
中には、妊婦の方も、
赤ちゃんを抱いたお母さんも、
おじいちゃんもおばあちゃんも、
いらっしゃいます。
みんな数時間、
立って並んでいます。
普段は、
シンガポール人の気質は、
とてもせっかちで、
わさわさしているはずなのですが、
押したり騒いだりすることもなく、
こんなに立ったまま文句も言わず、
並んでいます。
一目、リー・クアンユーの
お顔を最後に見て、
手を合わせたい、
その気持ちだけです。
そこに、
宗教も何も入っていないところが、
またすごい。
この人が、自分が信じる宗教の
支持者だったからとか、
この派閥だったから、
というきっかけで、
人が熱狂しているわけでなくて
「厳しかったけど、
ほんとに私のことを思ってくれてた、
大黒柱のお父さんが亡くなった・・」
そんな気分の国民です。
他の国の方がご覧になったら、
「ミニ社会主義国」とか
「明るい社会主義国家」とか
言われるかもしれないけれど、
そうなのかな。
よくわからないけれど、
「国の為に、
本当によくやってくれた方だ、
本当に心より、感謝しています。」
そういう静かな気持ちがなければ、
赤道直下の熱帯雨林の炎天下の中、
10時間も立ちっぱなしで、
静かに並び、政治家のご遺体に
会いに行かないですよね。
「本当に、ありがとう。
厳しかったお父さん。」
そういう気持ちだと思います。
私個人の人生にも、
たくさんの幸せと
チャンスをくれたシンガポールです。
心よりご冥福をお祈り致します。
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