できれば安定している会社で
優秀な社員がそろっていて、
仕事を全部してくれて、
そこの社長に、ゆくゆくは年の攻で
天下ったりできる人々はいいなと
羨ましく思ったりします。
または、
「会社内で回されるなら、
もう採算がいい感じで出ている部署を
担当したかったな。
こんなに
リソースがそろっていない
厳しい状態の部署を担当するなんて
本当に不公平だ。
まったく社内政治でミスったし
貧乏くじを引いちゃったよ」と、
そのように思ったことがある方々も
とても多いと思います。
そういうわけで今日は、
「リソースは、
最初はそろっていないのが当たり前
なので、それを、
心から当たり前だとわかって
進んでいこう」
という話をしようと思います。
リソースとは人・金・モノ・情報・時間など
文脈で変わりますがここでは人について
シンガポールの例を書こうと思います。
見てきて感じたままを言葉を選ばず
ストレートに表現させて頂きますと、
トイレも流さなければ、
S$1000(10万円)の罰金
を課すという法律があることにより、
全員が流す習慣を教育されたり、
とってもカッコ悪い響きの
不思議な英語を話していた人々が、
素敵な国際人に変貌してゆく姿を
現地で見てきたので、
個人的に非常に感慨深いところがあり
お伝えしたいと思います。
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シンガポールは2024年で59歳の
若い国です。
1965年にシンガポールはマレーシアから、
「望んでいないのに
切り離されてしまいました。」
今はマリーナベイサンズがあって
経済的に繫栄した国際都市国家
というイメージですが、
建国時は全くの未開地でした。
もともとは、
マレーシアと連合することで
うまくやっていきたかったのですが、
マレーシアはマレー人の特権を
重く守る方向で、
華人の多いシンガポールとは方向性が違い
泣きながら離されました。
(↓悔しすぎて悲しすぎて泣くリー・クアンユー)
荒れた土地で資源がなくて
水さえもマレーシアから引いていて
農業で売れるものもない。
いろいろな方言を話す華人達と
インド人やマレー人がいて、
宗教も違うしバラバラで
人々は一触即発の状態でした。
そのような厳しい状況で、
国民に共通で英語教育をして
59年後の今では
世界の中でトップクラスの
労働生産性を手に入れました。
望んで独立したのではなくて
何にもないところだけもらって
切り離された悔しさは、
国の繁栄という成功への道への
強いバネになったのだと思います。
そしてリー・クアンユーにとって
そういう国を成功させることが
自己実現につながっているので、
独裁と表現される部分があったとしても、
それはすべて国の利益のためであって、
汚職や、自分の家族だけ繁栄する方法を
取らないで、熱く進めたのだと思います。
リー・クアンユーはよくスピーチの中で、
「なぜ西洋の人々は
私たちアジア人を
頭の悪い人として扱うのか。
アメリカの昔の映画に出てくる
アジア人はいつも、
”チャイナマン※”という呼び名の、
無教養で貧しい人々として描かれている」
と話していました。
(※注 チャイナマンという差別的用語は
インタビュー中の用語をそのままここで使用しています。)
リー・クアンユーは
自分自身が、ケンブリッジ大学を
一級優等学位(First-Class Honours)で
卒業し、自分が、周りの全員の
イギリス人生徒達より
いい成績を取るのを体感しました。
(後に奥様となった、優秀な
シンガポール人女生徒に何回か
スコアが負けたことがあったと
笑ってお話されていました※)
※これについては2019年12月投稿の
「知性は遺伝するのか」という記事を
是非ご覧ください⇒こちら
そのような体験から、
シンガポールという国と人々を
欧米諸国やその人々以上に
成功させることができると
心から信じることができていた
のだと思います。
リー・クアンユーが作った
シンガポールは、
街並みもイギリスにそっくりで、
道の名前も
ロンドンに実在する道路名ばかりで※
※関連記事(2017年8月)⇒こちら
その中にまだ洗練されていない、
チャイナマンが置かれている
そんな違和感、アンバランスさが
とてもあったのです。
実際にシンガポールへ旅行に
かなり前に行かれた方は、
同じ違和感を感じた方も
多いかもしれません。
今日2024年では、そういう時代が、
国の歴史となって、文化を作り、
シンガポールは59歳の誕生日を
振り返っていました。
人を教育するのは時間がかかるし、
多くの場合、口に出さないとしても
「こんな人に教育しても
素養がないから無理無理」
などど断定してしまいがちです。
自分が相手に対してそう思うこともあれば、
相手から自分がそう思われているときも
あると思います。
でも、成功していくパターンは、
やはり人を、
今いる(能力不足に見える)人を
育てていることが多くて、
初めは微妙な感じだったのに
よくここまでになって、
ということも多いです。
逆に、
人的リソースはじめ、
その他のリソースにも
ある程度すでに恵まれている場所で
自分がラッキーにも上になったりすると、
自分のポジションを脅かす可能性のある
優秀な人を排除したり、
冷や飯を食わすことにだけ
一生懸命に情熱をかけるような、
上司になったりする場合が
出たりすることもあると思います。
それはよくあることだろうし、
それが社会だという現実も
あるとは思います。
大企業なら人材がたくさんいるので
それでも長期維持できますが、
そうでない場合は、
新たな採用時もスキル軽視で
若くて無知で自分がコントロールしやすい
そういうタイプの人々ばかりを選んで、
そのまま教育しないで、
頭数だけそろえて
自分のやりやすさを優先していると、
数年で生産性は落ちて、
自分の首を絞めてしまうと思います。
はこちら