2024年夏、高校の120周年記念誌を
母校が送って下さった。
固い厚い表紙の立派なものだった。

何気なく見ていたら、
自分が何年も前に、
フェイスブックでつながっていた 
同学年のまとめ役さんに言われて
メッセンジャーで送った
「高校時代についての思い出」の
作文が載っていた。

「クラスの思い出を集めています。
連絡先がわかる人が少なくて困っています。
なんでもいいから書いて」
という呼びかけで、
電車の中で親指で入力した。
こんなところに載るものなら、
もっときちんとした文体で書けばよかった。
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高校2年生の時、
恒例の球技大会がありました。

が、今回は、クラス担任の松尾先生が、
「優勝しよう!」と宣言されたのです。

その時には、クラスで優勝するだなんて、
あまり実感がありませんでした。

私はソフトボールで
センターを守ることになり、
球技大会までの約1か月間程でしたが、
毎朝、練習をしました。

この練習は、強制参加ではない
自主練でしたが、
運動が苦手の私も
参加するのが楽しい雰囲気で、
早起きして学校に行き、
運動場にグローブを持って
走って参加していました。

松尾先生がバットで球を飛ばして
ノックの守備練習をし、
私がセンターでフライをミスして
落としてしまうと、
「塩見、急げ~」
と大きな声が聞こえてきます。

その声は、失敗を責める怒号ではなく、
励ましの大声です。

大慌てでボールを拾って投げます。

 

 

 

 

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そして迎えた球技大会の日、
いくつかの種目が終わって、
ふと気づくと、
あと卓球で勝てば、クラス優勝だ!
というところに来ました。
まさか、本当に優勝できると
思っていなかったので、
それが現実になりつつあるのを知ったとき、
とても驚いたのを覚えています。

卓球は、
クラスの精鋭エースたちがメンバーなので、
きっと大丈夫。

教室で待っていたら、
かっこいいクラスメイトが
晴々した勝利の笑みで戻ってきました。

優勝!わああ!!
教室内で、みんなで飛び跳ねて喜びました。
とても嬉しかったのを覚えています。

それは、
「優勝に向かって練習してきたから」
という報われた感覚よりも、

「自分が意識もしていなかったことなのに、
みんなで実現できてしまった!」
という
「本当にこんなことできるんだ」
という喜びでした。
 

 

 

 

 

 

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文化祭では、クラスメイトと2人で
ピンクレディの「モンスター」を
歌って踊りました。

みんなが笑って、
松尾先生も、
とても笑っていらっしゃったのが、
舞台から見えました。

先生は、その後に、
「明るい性格の人は、伸びていく。」
というお話をホームルームで
して下さいました。

それは、私のその後の人生で、時折、
思い出して勇気をいただいている言葉です。

目標を立ててやってみること、
みんなの力を合わせること、明るい性格、
ポジティブなものの見方、
そういったことを、
高2、高3とお世話になった松尾先生や
先生方から頂きました。

おっとりとしているという評判の
明るく優しい同学年のお仲間にも
感謝しています。
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私のこの作文の前に、1学年上の方の
思い出エピソードがあった。

そこには、松尾先生が同じく、
大会に向けてそのクラス全員で練習をして
その学年は優勝を2年連続したこと、
そして、
明るさを持って生きること
(「明るいバカの話」)を
教えてくれたと書いてある。

私の作文と、まったく内容がかぶっていた。

松尾先生は、たくさんの生徒に
大事だと思うことを教え続けていたのかと
それが先生の信条だったのかと、
その文を読んで、涙が出た。

私が大学4年の時に松尾先生に、
就職が決まった報告を
年賀状に書き添えてした。

先生からの返信には、
癌になったこと、
死への恐怖を感じていることが
書かれていた。
私はびっくりして
恐ろしくて悲しくてそれ以上
お見舞いに行かず何もできなかった。
先生は、まだ50代だったが
その後、間もなく亡くなった。

松尾先生は、私にとっても、
多くの卒業生にとっても心に残る、
寺尾聡似のとても素敵な先生だった。

 

 

 


私も、自分がしていることが、
松尾先生の足元にも及ばないとは言え、
誰かの胸に残ったり
役に立っているといいなと思った。



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By jumpinghorse

大卒後新卒でシンガポール航空のCAになったのがきっかけでその後12年間シンガポールに居住しました。現在は月の半分海外、半分東京に。Facebook⇒ https://www.facebook.com/shiomi.yuki   インスタ yuki.shiomi 

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