無痛分娩を避ける先進国、日本

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国によって違う? 痛くないお産を選ぶ率

今日は、出産時の「帝王切開率」や、「無痛分娩率」について、日本と海外諸国を比較してみたいと思います。
そして、その背後にある「国々での意識の違い」を見て考えてみたいと思います。
ではまず最初に、データを見てみましょう。

帝王切開とは? 無痛分娩とは?

さて、その前に「帝王切開」と「無痛分娩」の違いを念のために整理しておきますね。
「帝王切開」というのは、下腹部を切開して、赤ちゃんを取り出す方法です。
「無痛分娩」は硬膜外麻酔を腰から打って、ほぼ痛みなく膣から赤ちゃんを産む方法です。

「帝王切開」になる理由は、赤ちゃんの向きや、お母さんの骨盤の大きさや、極端に低年齢だったり高年齢だったりなどの理由により、自然分娩をする場合のリスクが上がるにつれて、結果として帝王切開を選択する率が上がります。そして、帝王切開ができる医療環境が国によって十分でなければない程、帝王切開率は下がります。

ただそれだけではなく、「出産時の痛みに対しての不安と恐怖」から、帝王切開を「リクエストして」選択する妊婦さんも各国に一定数いますので、そういう意味で帝王切開率を見てみたいと思います。

世界の帝王切開率

オランダの週刊医学雑誌「ランセット」の2018年のデータによる、各国の帝王切開率は下記の通りで、2000年以降、全世界的に急激に上がっている帝王切開率ですが、日本では約20%を維持しています。

  • 西アフリカ・中央アフリカ 4.1% (スーダンは0.6%)
  • 東アフリカ・南部アフリカ 6.2%
  • 中東エリア 29.6%
  • 南アジア 18.1%
  • 東アジア 28.8%
  • 中南米 44.3% (ドミニカでは58.1%が帝王切開)
  • 東欧・中央アジア 27.3%
  • 北米 32%
  • 西欧 26.9%

医学的なリスク要因や、医療環境のこととは全く関係なく考えた場合も、「痛みに対して不安だから、自然分娩を避けたい」と考える女性が、 日本人の場合、世界平均と比べて少ないことは確かなようです。

中国ですと、帝王切開を選んだ人の約半数が、「痛みに対しての不安から逃れるという理由」のようです。特に都心部の、北京・上海・広州地区ですと、出産の約90%が帝王切開か無痛分娩というデータも出ています。(中国では、直近ではそれまで安易に受付けていた帝王切開も、産婦人科医のリスクの説明をすることによる、妊婦さんへの教育努力により逆にやや減少傾向だそうです。)

世界の無痛分娩率

腰の後ろから硬膜外麻酔注射をして、痛みを感じずに膣から出産する「無痛分娩」はどれくらいの妊婦さんが経験しているのか見てみましょう。
(2016年のデータ)
日本 6.1% (2007年時点では2.6%)
アメリカ 61%
フランス 77.8%

イギリス 33%
ノルウェー 26%

とのことで、日本ではまだ20人に一人という率ですね。

アメリカやフランスでは、60~80%の女性が、無痛分娩で出産をしているのですね!

陣痛は経験すべきなのか?

大事な命に関わるお産のことですので、帝王切開や無痛分娩についてのリスクは、ご自分で調べたりお医者様に相談するのがもちろん最も大事です。
ですが、「リスクに慎重である」というだけが、日本で無痛分娩の率が低い理由ではなく、「陣痛を体験したくないなんて母親になる資格がない」というような考え方が日本では(男性側にも)強いのが、一つの原因ではないかな、と感じました。

Yahoo知恵袋に、「無痛分娩が自然分娩よりも5万円高いので、妻に自然分娩を選んでほしい。出産は多少痛みがあって当然だけれど、誰でも経験するので、してほしい。5万円は別の出費にとっておきたい。」という書き込みがあり、それに対して、女性陣から「おまえが出産しろ!」「たった5万円の為にあんな痛みを我慢しろだなんで器が小さい!」という意見が多数書かれていました(笑)

それとは別に、女性からの意見で、「無痛分娩をすることにためらいがある。陣痛・出産の痛みから逃げることに罪悪感を感じる。」という投稿がありました。「陣痛は母親になる為に通らなくてはいけない道なのでは?」「今までいろいろなものから逃げてきて、今度も逃げていいのか」という自問自答が書かれていました。
こういった発想は、日本人に強くあるものだと思います。国によっては、今ある技術を使って痛くないで済むなら、 思い悩むことなく それを迷わず選択しているのではないかと想像します。

日本人はこの出産方法のことだけではなく、全般的な考え方として、「苦労しないと果実を得てはいけない。」「苦労してこそ、初めて報酬を得る資格がある。」という考え方が強いと感じます。その考え方は、とても美しく、尊敬すべきものですが、時と場合により、自らを幸せ(的なもの?≒楽なこと、楽しい事?)から遠ざけているかもしれないです。

自分自身が考えた結果、選択したならまだいいのですが、例えば、この出産方法の選択の場合、男の人が、「自然分娩するのが当たり前だ。」「無痛分娩を選ぶような女は、わがままでいい嫁ではない。」と言ったり、お姑さんが「私はこの子を難産の末、産んだ。私を見習え!」と当たり前のように声高に言うような社会は、嫌だな、と感じませんか?

私の個人的な経験談

ではここからは私の個人的なお話をさせていただきますね。皆様は昔ながらの助産院をご存知ですか?お産婆さんのおうちです。私の家は祖母と叔母が助産師で、祖母が亡くなるまで助産院をしていました。玄関も、お風呂も、トイレも1個しかない普通の一軒家の中に、家族3世代7名と、常時2名~4名の妊婦さん+2名~4名の赤ちゃんが寝泊まりしていました。家庭内工業のように、定年したおじいちゃんはおむつ洗い係(当時は布おむつ)、母が朝・昼・晩の食事を毎日毎食約10名以上分作り続ける、という感じです。ご飯を食べるところの横の家の中心の3畳間に赤ちゃんのベッドが並び、 粉ミルクを作ってあげたり、 家族総出で見守っていました。


ご飯を食べているときも、もちろん急に妊婦さんのうめき声が聞こえてきます。「せんせ~い!き、き、きてください~!!」「うううううう~」
私の部屋は妊婦さんのお部屋の隣りです。壁をひとつ隔てた真隣りから聞こえてくる声には、さんざん慣れきっているのですが、それでも、もの凄い叫び声が続く時は夜中に目が覚めて朝まで怖くて眠れなかったり、2階の家族も目を覚まして起きてきたり、ということもあります。
ご飯を食べ始めるころお産が始まって、食べ終わったらもう生まれていた、という場合もあります。お産の重さのレベルは個人差がとても大きいです。
2017年に中国では、自然分娩にトライしかけたところで、痛みに耐えかねて、医師に「帝王切開に切り替えてほしい」とリクエストしたのが通らずに、その妊婦さんは分娩目前に病院の窓から投身自殺してしまったという悲劇も起きています。

朝に目覚めて寝ぼけまなこでトイレに行くと、金具の医療用トレーの上に大量の真っ赤な鮮血に染まったコットンが何個も重ねて置いてあったり、それはまさに、火曜サスペンス以上の衝撃と恐怖を、幼少期の私の脳に植え付けました。

お産の苦しみを12歳までさんざん見続けた私は、出産への恐怖を乗り越えられず、子供を産まない人生となりました。

1人目の出産で難産だった方々が、2人目を産むことに躊躇していたり、 1回目の産後の回復が芳しくなかったり、という方々に、無痛分娩という選択肢が増えるのは医学の発展とともに大変にありがたいことと捉えていいのではないでしょうか。

とは言え、「占術」の考え方の根付いた香港などでは、占い上、ラッキーな日を選んで、その日に無痛分娩や帝王切開で計画出産して、その子の誕生日とする、ということで、活用されてもいるそうで、 確かに そういった出生のコントロールに関しては、倫理面で違和感を感じることもあります。

「医学面で気になる点」と、「倫理面で気になる点」の部分を考慮しながら、最終的に「当事者」の選択を尊重できる社会になるといいな、と思います。

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