皆さま、こんにちは。
東南アジアコンサルタントの塩見有輝です。
シンガポールで、PR (Permanent Resident、永住権)を持つ
メリットとデメリットは何でしょうか?
簡単にまとめてみます。
【メリット】
■ シンガポールで格段に職を得るチャンスが増える
シンガポールでは、企業が外国人を雇用する際に、
Quata(クォ-タ)と呼ばれる割合限度を守らないといけないです。
シンガポール人の雇用を守るために
敷かれているルールです。
それについては、こちらで解説させていただいております。
このように厳しく管理されているので、
外国人の場合は、
その就職希望者の能力に関係なく、
企業側のQuotaの事情で、
雇えない場合もあります。
PRの場合はQuotaを気にすることがないので
歓迎されます。
■ CPFというシンガポールの年金制度に入ることができる
CPFというのは、
シンガポール政府が、毎月
CPF加入者と企業から払われるお金を回して、
投資して増やし、
その加入者たちの年金を支払うという、
とてもよくできた制度です。
リタイヤ前に、家を買う時や、医療費が必要な時、
子供の教育のために必要な時、など
この自分のCPF口座から支払うことができます。
働いている間、毎月、
お給料の20%がCPFへ差し引かれ入金されます。
それに加えて!
お給料の金額の17%が、
会社からCPFに払われます。
例)
お給料が5,000シンガポールドルだとします。
5000ドルX20%=1000シンガポールドルが
自分のお給料から引かれて、
CPF口座に入金され、さらに
5000SドルX17%=850シンガポールドルが
会社が上乗せして、CPFに払ってくれます。
1か月に、つまり1,850シンガポールドルが
貯まっていきます。
つまり、毎月毎月、お給料の37%が
自分のCPF口座に貯まっていくのです。
これは、
すぐお金を使ってしまう人には、
とてもよくできたスキームです。
将来のための貯金に向けて、
強い意志を持たなくても、
個人の意思にかかわらず、
強制的に貯金させられている感覚です。
5,000シンガポールを円換算したら、
425,000円です。
425,000円のお給料の人が、
毎月157,200円をきっかり貯金している
という意味です。
注)
CPFのルールは、時によって、どんどん
変化します。
以前は外国人も強制的に入らなければ
いけない時期もありました。
CPFの利率が年利8%の、
いい時代もありました。
この利率は3か月ごとに変化しまして、
2015年12月現在では、
年利3.5%にまで下がっています。
■ HDB(公団)を買うことができる
シンガポール人の多くが、
HDBという公団に住んでいます。
(HDB外観画像↓)
PRが購入できるのは、
新築ではなく中古のHDB物件です。
HDBが投資目的によって、
その価格が高騰しすぎないようにと、
居住ルールや、賃貸ルールが
敷かれています。
そのルール内で、
賃貸に出すことも可能です。
■ 税金面での優遇
税率の低いシンガポールを、
課税対象国にするために、
「本当は日本にいたいけれど、
183日間はシンガポールに滞在する」
と決めている場合は
いつも滞在日数を数えないといけないですね。
夜中の0時過ぎ発の、
日本へのフライトにこだわったり。
PRをとれば、その外国人扱いから解放されます。
EP(就労パス)などの他のビザと比べても、
低い税率になります。
【デメリット】
■ 申請の手間
政府が年間あたり許可するPRの数は、
決まっています。
それ以上の申請者が多くいるため、
取得までに2~3年かかることがあります。
どういった条件を見られるかというと、
* 年齢
(若い方がいい。
国に貢献する可能性が高いので)、
* 個人の能力、資質
* 仕事の業種、
* シンガポール滞在年数
(お給料が8,000Sドル以上のP1ビザ所持者も、
2年以上滞在してから
申請した方が、望ましい、
それ以外の場合は、
4年以上滞在してから申請した方が
望ましい。
PEPという18,000ドル以上の
月額所得のある特別なビザの場合は
6か月の滞在後でも取得しやすい。)
などや、
シンガポール人の親戚がいるか、
寄付や推薦状など、が考慮されます。
それから・・・最後に・・・
■ 徴兵制の義務!
PRを取得すると、男性の場合、
年間40日のナショナルサービスという
徴兵訓練に従事しないといけないです。
(投資家用の長期滞在スキームの場合は
免除など、例外はあり)
PRをとったご本人の息子さんも、
同じくPRを取得した場合、
2年以上の徴兵制度に従事しないといけないです。
それを放棄すると、
その後、シンガポールで働くことが
できなくなります。
以上が、シンガポールのPR取得の
メリット・デメリットの概略です。
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