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ご回答をありがとうございました。 ✨

2026年8月も今日で終わりです。

夏休みの人出の多い時期
観光地やショッピングモールなど、
どこへ行っても混んでいる。

エスカレーターの前には、
何メートルも前から人が並んでいます。

ところで皆さんは、
エスカレーターに乗るとき、
どこに立ちますか?

東京をはじめ関東では、
多くの人が何も考えずに左側に立ちます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

右側は急いで歩いて上りたい人の為に
空けておく。

長い間続いてきた光景です。

でも、ものすごく混んでいるときにも、
これは本当に
一番効率のいい方法なのでしょうか?

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渋谷スクランブルスクエアなどに行くと、
「エスカレーターは二列で利用して下さい」
と自動アナウンスが繰り返し流れています。

それでも人の流れを見ると、
左側には長い列ができ、右側は空いている。

「二列で」と言われているのに、
なぜ人は二列にならないのでしょう。


思いやりが、
全体を遅くすることもある

右側を空けるという習慣は、
もともとは「急いでいる人が通れるように」
という、他人への気遣いから
始まったものだと思います。

とても日本らしい思いやりでもあります。

ところが、混雑時には少し事情が違います。

仮に100人が、
エスカレーターを待っているとします。

ここで、1人が1秒間隔で
乗ると仮定してみます。

片側一列なら、
100人が乗り終わるまで約100秒。
左右二列なら、
2人ずつ乗れるので約50秒。

その差は、わずか100人でも約50秒です。

数名の急いでいる人のために
片側を空けておくことが、
混雑時には、待っている大勢の人を
かえって遅くしてしまいます。

人に気を遣ってしている行動が、
必ずしも全体の実利に
つながっているとは限らない。

そして、もっと興味深いのはここからです。

「二列で利用してください」と
何度アナウンスされても、
なかなか行動は変わりません。

目の前に左側へ並ぶ長い列がある。

右側には誰もいない。

そこで自分だけが右側に立つ。

これは意外に勇気がいります。

私もできないことが多いです。

後ろから歩いてくる人に
「邪魔だ」と思われるかもしれない。

周りの人に
「あの人、どうして右側に立っているの?」
と思われるかもしれない。

公式には「二列で」と言われているのに、
目の前にいる大勢の人がしている行動に
合わせてしまう。

ですので、
人に何度もお願いするのではなく、
人が自然に行動を変える仕組み
作ったほうが早そうです。


日本なら
「最初の一人」を作ってしまう

私なら、日本では
「混雑時だけ右側に立つ人」を
配置してみたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その人が右側に一人立つ。

すると次に来た人は、
その後ろに立ちやすくなります。

二人になれば、三人目はさらに立ちやすい。

そして、いつの間にか二列になる。

「二列で並んでください」と言う
警備員さんを配置するのではなく、
最初の一人を人工的に作ってしまう。

周囲と違うことをする
心理的なハードルを取り除く。

こうした
「人を説得するのではなく、
環境や選択の仕方を変えることで行動を促す」
という発想は、
行動科学や「ナッジ」と呼ばれる考え方にも
つながっています。

では

他の国では
どうしたら効果的でしょうか。

アジアでも、
人が動くきっかけはずいぶん違うように感じます。


シンガポールなら
「ルールを明確にする」

シンガポールで仕事をしていた頃、
スタッフさん達とのミーティングで、
例えば、販売促進のプロモーションについて
話し合っていると、

「この場合はどうするの?」

「こういうお客様が来たら?」

「この条件とこの条件が重なった場合は?」

と、次々に質問が出てきます。

日本人の私からすると、
「そこは普通に考えれば分かるでしょう」と
思うようなことまで確認する。

そして、考えられるケースを細かく想定して、
一つ一つ明文化し、ルールにしていく。

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「そこまで決めなくても」
と思うくらい細かく決めます

そして感心するのは、

一度ルールとして決まると、それが非常に強い。

「私はこう思う」
「今日はこうしたほうがいい」と
個人が勝手に解釈するのではなく、
決められたルールを基準に行動する。

シンガポールで長く生活し、仕事をする中で、
私はこの感覚を何度も経験しました。

だとすれば、シンガポールで
エスカレーターの乗り方を変えるなら
「ご協力をお願いします」と
呼びかけ続けるより、
「11時〜16時には左右二列で立つ」
というルールを明確にして、
それを社会の標準として
定着させてしまう方が
効果的なのかもしれません。


マレーシアなら
「運用」をチェックする

一方、
マレーシアではまた違う印象を持っています。

私自身が仕事をしたりする中で感じたのは、
同じルールがあっても、
その場にいる担当者や責任者が力を持ち、
解釈や運用が変わることがあるということです。

だとすれば、
ルールを決めるだけでは十分ではありません。

「二列で利用する」と決めた後、
それがどの場所でも同じように理解され、
同じように運用されているのか。

そこまで確認する仕組みが必要になります。

駅ごとやスタッフごとでの案内方法を
定期的にチェックする。
違っていたら、共通の基準に戻す。

ルールを作って終わりではなく、
そのルールが人によって別物
なっていないかを、
マレーシアではシンガポールよりも
より継続してチェックする。


インドネシアなら
「人」が人を動かす

インドネシアでは「人」の力を
とても強く感じます。

ジャカルタでは近年、
MRTなどの都市鉄道が整備されました

日本にいると、その建設や運営について
いろいろなニュースを目にしますが、
実際に現地で利用してみると、
私はよくできていると思います。

特に印象に残るのが、
駅に配置されているスタッフの多さです。

まだ鉄道の利用に
慣れていない人もいるからでしょう。

改札付近にも人がいる。
チケットの買い方を一人ずつに教えてくれる。
セキュリティの荷物チェックをする人がいて、
迷っている人にはその場で案内してくれる。

機械や表示を置いて「読んでください」で
終わらせるのではなく、
人を置いて、人が教える。

ルールを掲示するだけではなく、
誰かがその場にいて、声をかけ、
説明して、実際にやって見せる。

とても非効率的に聞こえますが、
インドネシアの場合は、
アナウンスを何度も流すより、
混雑時にスタッフが入口に立って、

「こちらもどうぞ」

と空いている側へ人を案内する方法のほうが
自然なのかもしれません。


人を変えるのではなく、
「人が動く仕組み」を変える

日本=最初の一人を作る

シンガポール=ルールを明確にする

マレーシア=ルール運用を定期的にチェック

インドネシア=人が人に直接働きかける

もちろん、
これは「この国の人は全員こうだ」
という話ではありません。

私自身がそれぞれの国で暮らしたり、
人と働いたりする中で経験してきた中での
ただの個人の感想です。

ただ言えることは、

人の行動を変えたいとき、
「正しいことを何度も説明したら
その通りに動く」
とはなりにくい。

その人たちが普段どんなものを基準に
行動しているのか。

周囲の人なのか。

ルールなのか。

現場の運用なのか。

それとも、目の前にいる誰かなのか。

 

そんな視点で街を眺めてみると、
いつものエスカレーターの行列も、
少し違って見えてくるかもしれません。

夏の終わりに。


※感じ方や言葉の紡ぎ方には、
その人だけの色があります。
本記事の内容を引用・ご紹介いただく際は、
出典として塩見有輝の名前、 あるいは、
下記リンクを ご明記いただけると幸いです。

エスカレーターから考える「人を動かす仕組み」

こちら

 

 

 

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By jumpinghorse

大卒後新卒でシンガポール航空のCAになったのがきっかけでその後12年間シンガポールに居住しました。現在は月の半分海外、半分東京に。Facebook⇒ https://www.facebook.com/shiomi.yuki   インスタ yuki.shiomi 

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