【新連載】ブーゲンビリアと月

小説 ブーゲンビリアと月

エスコートサービス。

エスコートするだけの名目。

ただ、それ以上のことがあるのは暗黙の了解。
こんなビジネスはどこの国でもありうる。

経済成長でギラギラした
1990年代のシンガポール。

近隣諸国の王族や
事業で成功した金を掴んだ男達が

高級エスコートクラブ「High Society」で
見せる
裏の顔とは。。。

そこには成功のヒントも、
成功の向こう側の闇さえも見える。
その男たちにいじられて
性欲性癖を受け止める

女達のか・ん・じ・て・いることって?

Episode1

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Somerset駅の向かい 4階

Orchard 通り沿いの そのチャイニーズレストランは味がいいことと、ホテル内のレストランとは雰囲気が違って、大ホールに丸テーブルという典型的な中華色が、日本人駐在員には人気だった。

私はその4階の空き物件のテナント探しを依頼された。

その頃には、現地の宅建を取り、
政府公認の仲介業者免許まで取得していた。

そのオーナーはインド系の男性であるが、現在服役中で、その奥さんが3階にいるということで 私は3階のドアを開けた。
そこには、ヒンズーの神の像と、神棚があり、濃いピンクの長い何本もの線香が 独特の香りと煙を発していた。
カウンターに、ショートカットの色白の、警戒心の強そうなつり目の女性がいた。
『Can I see Mrs. XX?』と聞くと、大きな声で、“Mom! ”と オーナー夫人を呼んでくれた。

これが 私とマダムと出会い、その世界の詳細を知るきっかけとなった。

マダムは小柄で、顔も背も小さくて、でも 一本筋の通った、只者ではない気配を出していた。
中国系、マレー系、インド系、それから、私がアジアで一番キレイと感じるヨーロッパとアジアの混じった「ユーラシアン」といわれる子達、みんながその女性を Momと呼んでいた。
女性をコントロールするある種のカリスマ性を持っていたのかもしれない。
精神的に何かしら渇いた女性達にとっての、心の拠り所になっているのか、あるいは 計算高さから、仕事を割振ってもらう為に、上司に媚を売っているのか、
いずれにせよ
Momは、自分自身か、自分が身を置いているポジションに、力をもっているらしい。

電話が鳴る。

“High Society” と そのクラブの名前だけを、受付のキツそうな女が応える。
“Ok, sure” と電話を置いたあと、彼女は、電話口の向こうのClientの要望をMom に告げる。
Momは、物欲しげな、他の女の子の視線を振り払い、
“Angelina, you go”と 細いチャイニーズにその仕事を割振った。

フロアのソファーには、5,6人の女の子がいる。自宅待機の子もいるはず。
Angelinaは、胸もBカップあればいいほうだろう。ヒップも 太ももも、女らしさを感じさせる 肉付きはまったく無かった。ストレートのセミロングの顔まわりのレイヤーが、程ほどにあどけなさを感じさせる程度か。
彼女に性的な魅力は無かった。
この女の子を連れ出すのに700ドルは高すぎる。

“エスコート料”として700ドルをチャージする。”
その700ドルというのは、女の子を 、ここから“Just to Bring Out”する料金であり、それ以上のことについては、
“You discuss with her.  We don’t Know”
(自分で彼女と話して。私達はそれ以上のことは知らない。)
と、さっきの電話で受付の釣り目の女性は説明していた。
これが、法を逃れるシステムなんだ。

ただ、ここのご主人は、きっと、このビジネスのせいで、今、刑務所にいるんだ、ということが わかった。
その次の電話に、受付の彼女は、今度、“Hello, Escort” と応えていた。

エスコートサービス。
エスコートするだけの名目。
ただ、それ以上のことがあるのは暗黙の了解。
こんなビジネスはどこの国でも ありうる。
誰でも思いつく。

ただ、この『High Society』は、クライアントの顔ぶれが 格段にその名のとおりハイソであり、
如何わしいチラシなどの媒体物が禁止されている分、口コミで広がるそのコミュニティーの 層は、それなりの人物だった。
インドネシアやマレーシア等の近隣国のエリアの王、また ブルネイのプリンス、そういうデイタイムワークでは会うチャンスが少ないだろう人物であるということを私が知るのは、それから2週間もたたない頃だった。

Angelinaが 戻ってきた。

よくも ‘一仕事’ 終えた後に、平然とまた、このフロアーに戻って
何事もなくいられるものだと思ったが、カウンターに行き、150ドルを手渡した。
700ドルのうち、150ドルをバックするシステムらしい。

これを当日中にしないとそれなりの仕打ちにあうのだろう。
上顧客から指名を多く持っている女の子とは違い、Angelinaみたいな魅力はないが、ある意味従順で仕事熱心な子には、Momが慈悲深く、女の子の美貌レベルにあまりうるさくない寛容そうな顧客への仕事を割振っているのだ。
但し、当日精算をしないで帰ってしまう女の子や、Momを通さずに顧客と直接、コンタクトをとるようなルール違反をしたら、どんな風な罰をその子に課すのか、Momはあとあとになって私に話した。
たぶん 私をコントロールする為に。

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