【Ep2 ブーゲンビリアと月】花のちから ~Asian Detox~

小説 ブーゲンビリアと月

Episode 2

エスコートサービス。

エスコートするだけの名目。

ただ、それ以上のことがあるのは暗黙の了解。
こんなビジネスはどこの国でもありうる。

経済成長でギラギラした
1990年代のシンガポール。

近隣諸国の王族や
事業で成功した金を掴んだ男達が

高級エスコートクラブ「High Society」で
見せる
裏の顔とは。。。

そこには成功のヒントも、
成功の向こう側の闇さえも見える。
その男たちにいじられて
性欲性癖を受け止める

女達のか・ん・じ・て・いることって?

Episode 2

花のちから
~Asian Detox~

金曜、土曜ともなれば、
チャイニーズからは絶対にNGが出る、
インド系のRitaでさえ
一晩に2,3度のエスコート業務が入る。

RitaにNGが出るのは、
インド人である、ただそれだけの理由だ。
彼女はシンガポールのミス・インディア。

シンガポールのホテルのラウンジや
レストランのアトラクションでは
水着ショーがある。
食事中のお客さんの中を
水着を来てくねくね歩く。

水着を変えて4ラウンドする。
水着にファーのロシアンハットと手袋、
貝殻ビキニ、
ベネチアンマスク、
ランジェリー

こんなところだ。

Ritaは顔は綺麗だけれど
水着を着替えるときに見えた乳輪は
すごく大きいし妊娠線もわずかにある。
仲良くなったあとに、やっぱり
シングルマザーであることを吐露した。
金曜と土曜はモデルショーと
High Society業務で稼ぐらしい。

リタに聞いた。
「エスコートって、最後までするの?」

私は答えを待った。

“OF Course NOT!” と怒ってほしかった。

Ritaがきっぱりと、
”I will not answer”(その質問には答えない)
といったとき
私は驚きすぎて信じられなくて
日本語で、「えーっ!」と叫んでいた。
Ritaがそんなことを。。

 

コンノートロード沿いの、
【KABUKI】という
大きな高級Karaokeクラブに、
数名の女の子と一緒に、
ホステスとしてアテンドするような
文字通りのエスコート業務も入るが、
通常は プラス アルファーの仕事。

“仕事”ではあるが、それがきっかけで、
大富豪と結婚してドバイに住むライラが


この国に遊びに戻って来る時に、
Momにどんな土産をもってくるかや、

Scottsロードのアウトサイドカフェで
札束で扇子を作って広げて見せて、
“It’s too hot”と、仰ぎ始めるから
“そんな風に見せびらかしていると
殺されるよ! と注意したんだ”
と言うときのMomは、

とても誇らしげだった。

聞いている私は、
いくら富豪と結婚したところで
やることが下品だな、
とは感じるものの、
現実として、
Cashをもった下品な強さが、
たまらなく羨ましく感じられた。

当時TCSの人気の刑事ドラマ
【Triple Nine(999)】で、
女刑事役の女優の、
この国では珍しく顔の整ったJolyが、
このHigh Societyで
エスコート業をしていたことなんて
Momにとっては大した事柄ではなく
Momのテンションも
そんなには上がらなかった。
Momは一流のCarrie Model事務所や
Seven事務所のハイブリッドモデルを
もっと高く値付けしていた。

この“仕事”はからだを使う。
いろいろな男のオーラも、
汚らわしさも全部ひっくるめて
全部受け取ってしまうから
“浄化の儀式”は本当に大事である。

Mom は、女の子達に、
その浄化の儀式を必ず教えていた。

茎も葉も採った何種類かの花の部分に
ライムを半分に切ってその汁をたらす。

リトルインディアには、
祈祷用に花やライムがたくさん売っている。

ライムには、
男のライムと女のライムがある。
横から見ると平たいというよりは、
ヘタのところがとがっていて、
皮が、がさがさしているのが男。
平たくて、皮が薄くて
つるつるしているのが女のライム。

Momの可愛がっている
古株のユーラシアンのAliciaが、
その後の説明をとても真剣に続ける。
Aliciaは、
免疫を増やす為の注射を打ちながら
長年の上顧客の相手と、
新人の教育係を受持つ、
‘シスsister’ とgirlsから呼ばれる存在。

【その花とライムを頭からかぶって
身体についた全てのEvilを流すの。
その流した後の花とライムは、
ほんとうにEvilでDirtyだから、
絶対に素手で触っちゃダメ。絶対に。
使い捨ての手袋で拾って、
河か海に流すこと。】

彼女の言い方は、本当に、
間違って触ってしまったら
何かが起こってしまうんだと、
強くGirlsに思わせるに足る言い様だった。

 

私は東南アジアの魔術を信じている。
この国というよりは、
この隣国の宗教と絡んだものや、
Momのヒンズー教と絡んだもの、
それからハングリーゴーストなどの
日本にはないチャイニーズの仏教儀式、
すべてにパワーを感じる。

例えばFunny Faceのデュイは、
現実の世の中では力を持っていなかった。
なのにあの子が短期間、
思い通りに世の中をすごせたのも、
インドネシアの魔術を使ったせいだと、
私には確信できる。
ただ、その魔術を使った場合、
代償は必ず訪れる。
必ず。
デュイの行方はよく知らない。

 

Aliciaも、Momと同様に、
こういった儀式に関しては、
本当に厳格で敬虔であった。

Aliciaは、この’High Society’の
Momの次のポジションで、
Girlsの教育係だ。

同じくユーラシアンの彼は
Aliciaの職業を知っている。
彼は長身で、
インド人のベースの容姿から
そのちょっと野暮ったさや、
嫌われる雰囲気を取除き、
綺麗な顔の造形だけを残したような
珍しいくらいの美男だった。
Aliciaがお金でこの美男をつないでいるのか、
ある種のテクニックで?
つないでいるのかはわからない。
仲は良さそうだ。

彼の誕生日に、
Aliciaは粋なプレゼントをした。
’High Society’所属の女の子を
彼の家にサプライズで送った。
Jennyというセクシーさを前面に出した子だ・・・

グラビアアイドルのような子を、
彼のもとに、
サプライズ プレゼントとして送る。
器の大きい変わった女にしかできない、
プレゼント。
男の心を「見透かして」送る
こんなプレゼント、
本当は男は喜ぶはずはないのに。。。

心を見透かされるのを一番男は嫌うはず。

男の体をわかっているのに、
生理はわからないんだね、Alicia.。。。

Aliciaにいわれたとおり、
Jennyはラジカセを持って、
彼のいる住所に行き、
【New GirlのJennyです】と言った。
彼はJennyを見て笑顔で
“Very Pretty” と言って迎い入れた。

Aliciaが取りまとめる’High Society’の
Girls達が出入りする家らしく、
彼も女の子の出入りに慣れていた。
このIndian Mixの美男のSmileは、
これがアルカイックスマイルなんだ、
と納得できる、
きれいなシンメトリーな笑顔だった。

手にしていたラジカセを
マーブルのテーブルの上において、
音楽を突然スタートさせて、
考えられる限りのSexyな動きで踊ると、
彼は初めは驚いてはいたものの、
すぐに目を見開いて見入った。

2分もしないうちに
ソファーに座っている
彼のヒザに擦り寄って
ズボンを下ろして
Aliciaに言われたとおりに口に含んだ。

彼がその中で、どれくらいの時間で、
熱いものを出したか、
そういったことまでの詳細を、
JennyはAliciaに
事の直後に電話で
報告を義務付けられていた。

Girlsを取りまとめる立場で、
「嫉妬すべきではない」
という葛藤があるのか、
Aliciaは、ただ、笑ってはいたが、
どんな状況だったかを
事細かに聞く様子は、

それを面白がっている
豪快な女ではなく、
心配している少女のようでもあった。

 

(では次回は、火曜の夜に。
毎週火曜と金曜の夜、配信しますね。)

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