皆様の周りにも
プロフェッショナルだな
と思う方々がたくさんいると思います。
そして、自分もそうなりたいな、
そう思う瞬間も多いと思います。

今日は、そういう話を
一つの小さなエピソードをもとに
書かせて頂こうと思います。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
007のQが、
ダニエル・クレイグのシリーズから
新しい俳優さんに変わったとき、
その人に顔や雰囲気が似た
ずうっと昔に2、3回話をしただけの
名前も忘れた人のことを思い出した。

※Qは、特殊な武器やガジェットを
開発する技術者で、
MI6の研究開発部門の責任者

 

 

 

 





私はまだ27、8歳の頃で、
シンガポールで働いていた。
お給料から20%CPFという制度で
国から強制的に老後貯金させられていて、

そのお金は
1.家の購入費
2.子供の教育費

3.医療費
として必要な時だけ、
引落としを申請できるが、

基本的には、
国を出るか
老人になるまで
引き出せないので、
浪費癖のある私には、
とてもありがたい制度だった。

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もらったら全部つかってしまう
そういうタイプなのに、
強制貯金なので、
時間と共に貯まっていくので
こうやって強制的にやるといいのか
ということを学んだ。

CPFを差し引かれた
手取りのお給料からは、
別に何も贅沢なものを買ったり
お酒を飲みにいかなくても、

貯金する余裕もないし、
いつも知らないうちに
すってんてんに使ってしまう。

ある日、たまたま行ったギャラリーで
ベトナム人画家の絵を見た。

結婚式の準備をしている様子を描いた
油絵で、
アオザイの女性が数名いて
お花や食材を運んでいたり
蓮の葉っぱを傘にして
歩いている絵で、
3万ドルだった。
でも買ってしまった。

とても気に入ったのはもちろんだが、

手元のお金を
自分が換金しにくいものに
変えておかないと、

すぐに使ってしまう性格を
自分で知っていたので、
貯金全額をその絵に替えて
とっておくほうが、

貯金ができない私にとっては
安全だと思ったのだ。

ベトナム人の画家の名前は
もちろん知らないけれど、

ギャラリーの方が、その絵だけを
一番大事そうに自分の席の後ろに
飾ってあったので、

値うちはきっとあるんじゃないか
そんな風に思っていた。

数年したある金曜日、
いつものzoukか、

 

 

 

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それよりもうちょっと、
ソフィスティケイトされた人が集まる
Velvet Undergroundか、

 

 

 

 






どちらか忘れてしまったけれど、
そういうクラブで、
ギラギラした肉食男子達の中に、
メガネをかけたインテリ風の
珍しいタイプの人がいた。

イギリスで芸術を勉強して
今はサザビーズで働いていると言ったので、
私は、あの絵を換金したくて、

 

 

 



「私のアパートに壁いっぱいの大きさで
キャンバスが横長で、
ベトナム人のニュイフォン?
スペルはngyuen phuoc みたいな
名前の人の絵があって、
3万ドルで買った証拠の
書類もあるんだけれど、
買ってくれたりできる?」
と大音響の中で聞いた。

「明日、家に見に行く」と言われ、
次の日、本当に家に来た。

その時まで、当時20代だった私は
家に来て何かされたらどうしようなどと、
そんな風な余計な心配までしていて、

本当に買ってくれるとは
まったく半信半疑だった。

家に来た彼は、メガネを外して、
その絵を、静かに、2、3分
いろいろな角度から見ていた。
サインのところは、
腰を曲げてゆっくりと見ていた。

私は、「書類があるんだよ」と
一生懸命、売り込もうと
書類を見せようとしたのだけれども、
ほんとうに書類は手にもしないし
一瞥もしないで、彼は絵を見ていた。

そして、「搬送の日を決めよう」
と言って、搬送日が決まった。

あまりに簡単に決まったので、
「3万ドルより高くならないかな?」
とその時、慌てて私は聞いたけれど、
彼は黙って首を横に振った。

搬送日に彼もまた来て
書類と小切手をもらった。
彼は梱包の様子を見届けて、
静かに去っていった。

プロフェッショナルとは

知識の豊富さ

その知識を商売に役立てて利を得ること、

その為にタイミングを逃さない早わざ

それから、

取引相手が気分がよくなるマナーのよさ

そんなことを学んだ気がする。

注)※こちらの記事は、
思い出話を書いただけで、
「アート投資」へ
皆様を誘導する意図は
ありません。

 

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By jumpinghorse

大卒後新卒でシンガポール航空のCAになったのがきっかけでその後12年間シンガポールに居住しました。現在は月の半分海外、半分東京に。Facebook⇒ https://www.facebook.com/shiomi.yuki   インスタ yuki.shiomi 

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