今日は、労働時間や働き方改革について書こうと思います。
先週、イタリアのローマとフィレンツェに行った。
「ボンジョルノ~」とたくさんの笑顔に触れて、日本に帰ってきた私は、おしゃれをしても褒めたりしない日本男子に「イタリア人は違うよ!もっとオープンに表現するよ!」と冗談交じりに詰め寄ってみた。
そうしたところ、「そういうねぇ、昼寝ばっかりしてるねぇ、あんまり働かない国はねぇ、衰退するんだよおぉぉぉ!」と反撃された。
「昼寝をしている」というのは、スペインのシエスタと混同していると思うのですが、それは置いておいて、やはりヨーロッパというと、「長いバカンスもあって、平日もランチからおいしいものをゆっくりワインと一緒に楽しんで、夕食も家族のたくさんの手料理に囲まれてバッチリ過ごしています~」というイメージがあります。
「実は私もそういうイメージ持っていたんだけれど、どうやらそれが違うんだよ。」と、私はその日、興味があって見てみたデータについて話し始めた。
なぜなら、こちら↓をご覧ください。
世界の労働時間 国別ランキング・推移
・世界主要国の労働時間 国際比較統計・ランキング。
・各国の全就業者平均年間実労働時間と国別順位を掲載。
・単位は時間(h)/年。
・OECD統計ベース。
・全就業者平均の1人当たり年間実労働時間。
・就業者は雇用者(給与所得者)、自営業者を含む全就業者。
・労働時間は原則として定時・残業、有給・無給にかかわらず実際に生産活動に従事していた時間。
(抜粋: グローバルノート「世界の労働時間 国別ランキング・推移」より)
日本の方が、1年間の労働時間が、イタリアやスペインより少ない!?
16位のイタリア、19位のスペインよりも下で、22位が日本?
「意外だな。
データの数え方に何か偏りがあるのかな?
たぶん、労働時間は短くても、日本の方が生産性が高い、ということかな??」
と思いながら、時間当たりの生産性も比較して見てみました。
時間当たり労働生産性 国際比較
・世界主要国の時間当たり労働生産性 国別比較統計・ランキング。
・各国の時間当たり労働生産性と国別順位を掲載。
・単位は米ドル/時間。
・時間当たり労働生産性は労働時間1時間当たりの名目GDP。
・各国の名目GDP総額を就業者の年間総労働時間で割った値。
・労働時間は、原則として定時・残業、有給・無給にかかわらず、実際に生産活動に従事していた時間。
休暇・有給休暇、昼食時間、OJT以外のトレーニング時間は含まない。
(抜粋:グローバルノート「時間当たり労働生産性 国際比較」より)
日本での1時間あたりの労働生産性も、イタリアやスペインよりも低いというデータになっています。
日本のGDPが世界第3位で、イタリアが第8位なのは、日本の人口(1億2千万人)がちょうどイタリア(6千万人)の倍あるからのようだ。
皆様の予想はいかがでしたか? 私は、日本人が長時間働いているイメージが定着していたので、意外でした。
個人ベースの場合でも、人は自分のことこそを、勤勉勤労と思いこみがちですが、実際は全然そんなことはないことも多いかもしれないです。
そして、そういうことに気が付かないのは、1回思い込んだら、「上から目線」ができあがっているからかもしれません。
仕事についての解釈の仕方も人それぞれで、「ネットで業務連絡している」のも「仕事!」としてとらえていて、「毎日1日中仕事に追われている」と感じている人もいるし、そんなことは「息を吸う」のと同じくらい負担がなく当たり前のことに感じている人もいます。
自分だけが勤勉勤労だと思い込んでいると、とても狭い考え方での話をして終わりがちなので、気を付けないと、と思います。
日本では働き方改革が進んでいくようですが、そうすることに至った、本来の目的をいい方向で解釈して、国にとっても、会社にとっても、家族にとっても、自分にとっても、いい方向に進みたいですね。