今日は、「親の面倒をみる」ことを、“国が国民に対して「義務」と位置付けた方がいいのかどうか?”ということを考えてみようと思います。
シンガポールにある法律
シンガポールでは、【親の面倒は子供が見るべき(扶養すべき)】ということが、法律で決まっています。 Maintenance of Parents Act(親の生活維持) という法律名です。1995年から導入されています。
内容は、「60歳以上のシンガポール居住者が自立できない場合、その子供が面倒を見る。そうしない場合は、5000ドル以下の罰金が科されるか、6ヶ月以下の懲役刑を宣告されることがある。」ということです。
ただし、幼少期に両親から虐待を受けていたなど特殊な事情がある場合は、それを証明できるのであれば、この義務を免除されます。
シンガポールでも、「子供が親の面倒を見るという道徳的なことを、法的義務にするのは如何なものか!」という議論はあったそうです。
ですが、結果として法律を設けることになりました。何でもきちんと法律で決めて、罰則をきめていくところがシンガポールらしいですね。
日本の「扶養義務」の強制程度は?
日本では、生活保護申請をした人に成人した子供がいた場合、福祉事務所が子供に対して、「親の扶養をするように」と協力を仰ぐことはできますが、それを子供側が拒否したことによって、罰せられることはありません。
毎回この話題で登場すると思いますが、売れっ子芸人さんの母親が、生活保護を受けていたということが話題になって、大炎上しました。芸能界で活躍しているのに親を援助もしないで、生活保護を受けさせ続けるのはおかしい、と多くの人が思う一方、日本では法律で罰せられることはありません。
それぞれの家庭にはそれぞれの事情があるので、一遍通りには語れないということで、日本では強制的な罰則付きの法律がなく、子供が扶養を拒否すれば、最終的には国が負担することになります。
日本とシンガポールの考え方の違いの比較
日本もシンガポールも、高齢化社会へと進んでいますが、考え方をざっくりと書くと下記のような違いになると思います。
【シンガポールの考え方】
*自立できない高齢者については、
家族が責任を持って下さい。
国で請負いません。
*罰則規定がない法律には
意味がないはずですので、
罰則もはっきり書いておきます。
【日本の考え方】
*子供が親の面倒をみるべきではありますが、
諸事情があるようですし、
国が考える問題に入れてはおきます。
*法律で罰則まではもうけません。
法律で規制するよりも、
道徳面で当然のことなので、
皆さん、よろしくお願いします。
もしかしたら、こんな考え方↓も読み取れるかもしれません。
【シンガポールの根本にありそうな考え方】
(*役に立たなくなった人は、国はお世話しません。)
【日本の場合】
(*役に立たなくなった人を、国が切り捨てるように見えることはできない。。か。な。。)
スウェーデンの福祉関係の方が、シンガポールの公立の老人ホームに見学に行ったときに、シンガポールは先進国ではありながら、大部屋の中には15人前後のベッドがカーテンで仕切られて並べられているのが当たり前で、衛生環境も良くはなかったことが、北欧のホームと全く違って、ショックだったと話していらっしゃいました。それも「効率」を徹底したシンガポールの横顔のひとつであると思います。
役に立てなくなったら。
自分でできることを頑張ってやっていって、役に立てなくなったら、今度は迷惑にならないような在り方をできるだけ考えていこう。
自分の老化についてを、なんでもかんでも国にお世話してもらうのを望むのは、ずいぶんと違うと思う。老後の在り方をそれぞれ考えていこう。
それでも、その後、体力が衰えていって脳ミソで自分を奮い立たせることができなくなったら、どうしよう。。。
お金で解決できるように貯めておこう。
そんな時は、やっぱり、客観視という言葉と関係ない家族や家族的な人と生きよう。
家族同士は、客観視して、「この人は役に立つ」とか「役に立たない」という問題ではなくて、「存在が愛おしい」ということだから。家族に関してだけは、客観的に話さないで主観的に話していても、社会で許されるところだ。
そう感じながら、都内のカフェでこのブログを書いている現在の私である。
隣の席では、日本人女子とチャイニーズ男子のカップルが喧嘩している。
一緒に楽しく2人で盛り上がっていた中国語の翻訳作業を、日本人女子は「趣味」と捉えているので楽しく進めたい一方、チャイニーズ男子は「仕事」と捉えているので、早く進めたいらしい。それから言い争いが始まった。
日本人女子が言い放った言葉・・・
「そうやっていつも、私たちの関係性に効率ばっかり求めてる!」
そう言って、彼女は夜のカフェを一人出て行ってしまった。
愛情や道徳、役に立つことや効率、家族関係、法律での管理、老後の自立、、、、
あなたは、何に問題意識や不安を感じましたか?
↓ 応援クリック頂けたら嬉しいです。 ↓
にほんブログ村